飲食店の形態で違法風俗の営業をしている疑いがあった兵庫県尼崎市の元歓楽街、通称「かんなみ新地」について、市は31日、一帯の土地建物の取得に向けた計画を進めると発表した。所有者が多岐にわたり、近隣に小学校もあることなどから、市が関与することでまちの安全と再生を図る。
旧かんなみ新地は、阪神尼崎駅から西へ1キロ弱の、長屋が並ぶ約680平方メートルの一角。36店舗に飲食店営業許可が出ていたが、昨年11月、市と尼崎南署が警告書を出して以降、店側が一斉に閉業した。地元住民からは、元の形に戻ることや、空き家状態が長期化して治安が悪くなることへの懸念の声があがっていた。
市によれば、登記簿上の地権者は25人。更新されていない可能性もあるとみて、実態を調査するために委託費など計520万円を6月補正予算で計上する。飲食店営業を再開した8店舗の意向確認や、働いている人の相談・支援にも取り組むという。
これまでは通学路にできず近隣の児童は回り道をしていたが、環境改善で児童も歩けるまち並みをめざす。稲村和美市長は30日の会見で「一括取得できれば、様々なまちづくりの面で公益を確保できる」と話した。(中塚久美子)
掲載:https://news.yahoo.co.jp/articles/2b8568264342bd0e22c785091efe74e461697dba
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