サラリーマンの聖地・新橋駅近くの「ニュー新橋ビル」。この2階フロアは中国系のマッサージ店が軒を連ねており、強引な客引きが名物だ。さらに、アダルトなサービスを受けられるとの情報もあるが実態は? 女性記者が現地で取材を試みる。
ニュー新橋ビル2階フロアはマッサージ店だらけ
警視庁は6月13日、風営法違反(客引き)の疑いで新橋の個室マッサージ店の中国籍の女性経営者ら5人を逮捕。新橋では客引きによるトラブルが急増中で、警視庁によると昨年の客引きによる通報は320件で、一昨年より90件も増えているという。
サラリーマンの聖地・新橋のSL広場に面して建つ「ニュー新橋ビル」。白い立体網目模様の外壁が特徴的で、飲食店に居酒屋、金券ショップなどサラリーマンを対象とした店舗が多いことから、通称“おやじビル”とも呼ばれる。
このニュー新橋ビルの2階には健全なものからアダルトなサービスを受けられるものまで、多種多様なマッサージ店が20軒ほど入っている。また、中国人店員による“やや強引な客引き”でも有名だ。 会社帰りや営業途中などにこのビルへと足繁く通う会社員(48歳)は言う。
「ニュー新橋ビルの中国系マッサージはこの10年で100回以上受けました。 3メートル幅くらいの通路の両脇にミニスカで椅子に座った中国系の女の子が待機してて、前を通ると『マッサージいかがですか』と声をかけてくる。 立ち止まろうものなら腕をガシッと掴まれ『おにーさん、楽しいことあるよ』と耳元で囁かれるんです。
“楽しいこと”が何かは言えませんが(笑)、僕はこの強引に営業してくる女の子とのやりとりが好きで、営業の合間や帰りに寄るんです」
裏ネタを扱う月刊誌「裏モノJAPAN」の編集者、仙頭正教氏はこの“楽しいこと”についてこう解説する。
「『楽しいことあるよ』と言われたら『ヌキはありますか?』と聞けば『プラス5000円で手コキね』や『そういう話は店内ね』と教えてくれたりと、性的なサービスが受けられる店が稀にあるのです。 もちろん健全な店でそんなことを聞けば『そんなのナイ!』と怒られることもあるし、昨日できた店が今日できないこともある。そういうかけ引きも含めて、ニュー新橋ビルは男にとって楽しいビルなんです」
フロアにはなぜか縄跳びするマッサージ嬢も
もともとニュー新橋ビルが立つエリアは昭和20年の東京大空襲で大半が焼失し、戦後はヤミ市が生まれた。その後、1961年に都市計画事業が決まり、ニュー新橋ビルは1971年に竣工。 2階フロアに中国系マッサージ店が続々と営業するようになったきっかけについては『新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録』(村岡俊也著)に詳しく記されている。この本で取り上げられていた新橋の不動産仲介業者のコメントの一部を引用したい。
「二〇〇三年(平成十五年)くらいから、本格的にバーっと広がっていったんです。(略)今ではいくつか中国系マッサージ店のグループがあるから、できるだけ店同士で喧嘩しないように離れた場所を紹介するんですけど、仲介業者はうちだけじゃないから、空いている区画にどんどん入ってくるんです。ただ、区分所有の方々も再開発を見据えて、持っていた方がいいだろうという損得勘定が働いているから、相続の問題がない限りは売らないですね。だから現在のマッサージ店も、ほとんどが賃貸ですよ」
マッサージ店で働く中国人女性(23歳)にも話を聞いた。
「ここで働く中国人女性が特に増えたのはコロナ以降。 私もだけど、コロナで閉店した居酒屋から働き口を求めてこのビルにやってきた。 常連客が多いけど、エロいサービス目当ての男性も2~3割いて、たまに過激なサービスを求めてくる人もいるから困るね」
肝心のマッサージ技術はどうなのか。Googleのクチコミ評価を見るとどの店舗も4点以上と高得点ということで、無類のマッサージ好きである女性記者がその真偽を確かめに行くことに。
2階フロアには店先で麺をすすりながら談笑していたり、3歳くらいの子供を抱えていたり、なぜか縄跳びをしていたりと、思い思いの時間を過ごすマッサージ嬢の姿が目に入る。まるでアジアの裏通りを歩いてるような気分だ。
客引きたちは女性にも「おねえさーん、マッサージいかがですか」「うまいよ、信じて」と声をかけてくるので、立ち止まると「この店は●●さん(女性芸能人)も来た。満足して帰ったよ。信じてダイジョーブ!」と言う。 そこまで言うなら、とこの店で施術を受けることに決めた。
記者もプチぼったくり被害に…
記者が選んだのは漢方オイルマッサージ60分9000円のコース。 部屋に入ると、ベッドの上に紙パンツが置かれているのだが、男性用しか用意がないのか、記者が穿くとブカブカ。 そして、ジーパンに半袖Tシャツの40代くらいのマッサージ嬢が入室すると、熱々のタオルをぶっきらぼうに数枚かけられる。「アツっ!」と思ったものの、このくらいの乱暴さは熟練の中国系マッサージ店にだってよくあること。
潜入取材ということで「お姉さんはいつからここで働いてるの?」と聞いてみるも、「わたし、日本語わからない」と突き放されてしまった。 しかし、次の瞬間には「肩、かたいね! これは四十肩!」とそれなりに難しい単語で記者の体のかたさを指摘。日本語は話せるが、記者の相手が面倒くさくてしゃべれないテイにしているのだろうか。
マッサージテクニックは「首肩が辛い」というこちらのオーダーどおり、強さ加減が絶妙でポイントを外さず、入念に揉みほぐしてくれたのでハイレベルだと感じた。
しかし、会計は9000円ではなく、なぜか13500円。「60分だよね?」と聞くと「あなたが受けたのは90分。だから1万3500円!」と言って聞かない。しかたがないので、折れて支払うことに。
PayPay払いに対応しているというので、それでお願いする。しかし、QRコードをかざすでもなく読み取るでもなく、現れた店のママらしき女性のPayPayIDに直接送金することに。これは斬新だった。
プチぼったくりにあった感は否めない。また、ベッドのシーツの湿った感触など、女性として独特な雰囲気を感じられたのは収穫だった。
新橋西口エリアは「新橋駅西口地区市街地再開発準備組合」が設立されており、このニュー新橋ビルの敷地にも今年には新たなランドマーク的建物が建設される予定だった。しかし、一向に解体どころか閉館すらしていない様子だ。
ニュー新橋ビル管理組合によると、「再開発準備組合の話し合いには区分所有者が個別に参加していますが、現時点ではいつ閉館して解体するといった期日は決まっていません」とのこと。しかし、いずれにしても築50年以上のこのビルが解体されるのは免れないだろう。
マッサージ店だけでなく、レトロゲームが並ぶゲームセンターや明治18年創業の洋食店などサラリーマンに愛された店が多数入る、古き良き“おやじビル”。 取り壊されることになったらまたひとつ、東京は昭和の面影をなくすことになる。
取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班
掲載:https://news.yahoo.co.jp/articles/1c76898eba5f5130ddc23de22d4c104b07bded0a?page=1
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